というわけで、勝手ながらDecade Best Web Technologyを選出すると…どう考えてもGoogleでしょうね。もう間違いないです。もはやインターネットはGoogleという単語と同義になりつつあり、ビジネスの現場から日常生活まで暮らしの中に『検索』という行為を圧倒的に浸透させたその力は言うまでもありません。まさに2位以下を大きく離しての「これ無しで生活できないWebサービス」No.1でしょう。検索エンジン後発組と称され周囲からネガティブな眼差しを受けていたにも関わらず、PageRankをはじめとする独自の検索技術・圧倒的な検索精度を以て、 InfoseekやAltaVista、Inktomiなど先行検索エンジンをあれよあれよという間に追い越し、2001年2月12日のDeja(以後 Google Groupに統合)買収以来破竹の勢いでM&Aを繰り返すこと大小含めて計59件(2009年12月4日の AppJet(EtherPad)買収まで)、売り上げがほとんど無い状態からその将来性だけでSilicon Valleyの2大ベストVCのSequoia Capital・KPCBから1250万ドルずつを出資させ(通常ありえない)、IPOを実現させました。株価もリーマンショックで最高値747.24ドル(2007年11月7日)から約1/3の株価にまで落ち込む(247.30ドル)も、2004年8月19日IPO時の85ドルから、2009年12月 28日現時点で618.48ドルを叩き出す時価総額200億ドルの怪物です(Google Inc. - Google Finance)。エッジを存分に効かせるサービスを創造するため世界各地の『頭脳』を呼び寄せ、Silicon Valleyの最中心地をStanfordのあるPalo Altoから本社所在地のMountain Viewに若干南下させ、Downtownににぎやかな店をずらずら並ばせた張本人がGoogleと言えるでしょう。まさに21世紀初めの10年を代表するにふさわしいWebの主役です。

各年別にみても2005年まではもうGoogleで、キャズムを越えた(越えつつある)という意味では、2006年はYouTube、2007年はFacebook、2008年はiPhone(ちょっと例外w)、2009年はTwitterというところでしょうか。GmailからGoogle News、Google MapsやGoogle Docsなど身の回りのサービスほぼ全てを網羅しつつあるGoogleが特にこのDecade前半を彩り、IPOを達成した後半5年はもはや一般家庭にも『インフラ』として普及しその歩みを一切止めようとしません。まさに怪物。2006年10月9日、その怪物が16億5000万ドルで買収したのが創業から2年も経たないYouTubeです。動画を Webの世界に引き入れ、高性能・高画質よりスピーディーかつ手軽に動画を視聴したいというユーザーの心理をFlashで見事に掴み、独自の動画組み込みやレコメンデーションでVideo Sharingを一般コンテンツに仕立て上げた立役者がこのYouTubeです。そして歴史的買収から遡ること約2週間前、クローズドベータから一般公開に踏み切ったのがFacebookでした。以後どんどん利用者数を伸ばし、2007年はまさにFacebook躍進の年でした。創業者Mark Zuckerbergが、母校Harvardの学生寮の実名&実写真入り(Face)冊子(Book)をオンラインに移したのがきっかけとなり、リアルな人間関係のマッピングとして初めはHarvard内限定SNSでしたが、以後Ivy Leagueを経て全米の大学、そして高校と広がっていき、一般公開を経て今ではユーザー数3億5000万人の巨大SNSとなっています。ちょうど2007年はその加速的な勢いから、当時No.1 SNSだったMySpaceを抜けるか否かが業界で騒がれていた頃でした(結局2008年半ばにユニークビジター数で追い抜く)。

そして2008年、iPodで旋風を巻き起こしていたAppleが、第三世代携帯として iPhone 3Gを2008年7月11日に発売し、市場に大きなインパクトを与えました。2007年6月29日に発売された初代iPhoneはアメリカと通信方式が異なる日本には上陸しなかったものの、Webブラウザ・カメラ機能・iPod機能を標準搭載し、電話をいちアプリケーションにしてしまった「Revolutionary Phone」(Steve Jobs)の衝撃は今でも覚えています。iPod×iTunes×iTMSのシームレスな利便性及び抜群の収益性で懐疑的なアナリストをぎゃふんと言わせた後、畳み掛けるようにiPhoneをローンチ、その収益構造にさらにApp Storeも加え、インターネットデバイスのトップの座に君臨していると言っても過言ではありません。iPhone 3GになりGPS機能が標準搭載されアプリの幅も広がり、無類の強さを見せています。2008・2009年携帯市場はiPhone一人勝ち状態がしばらく続きましたね。

そして本年2009はTwitterが大躍進、マイクロブログ隆盛の年でした。固有のURLが与えられた140文字以内の「つぶやき」(このネーミングも秀逸)を通じたゆるいコミュニケーション、否、フォロワー数やReTweet数などの数値指標によって極めて効率的に可視化されたリアルタイムコミュニケーションプラットフォームと言えます。マーケティングに利用する 企業をはじめ、著名人も続々とアカウントを取得して参戦、あのObama米大統領もTwitterアカウントを持っています(ただし本人は一度も使ったことがないとのこと)。つぶやきダダ流しのリアルタイム性及びスマートフォン経由による常時投稿可能という背景から、Twitter八分を恐れて常時コミュニケーションを強いられる窮屈感、Twitterユーザー・非ユーザー間の情報格差など解決した方が良い問題点は幾つかあるとは思いますが、やはり2009年はTwitterの年だったという印象を拭い去ることはできません。よりリアルな人間関係に準じたつぶやきコミュニティなど発展サービスが今後出てくるでしょう。
2010年は何の年になるかと考えるならば…やはりAndroidの年になるはず。情報が錯綜する感は否めませんが、Open Handset Allianceとの兼ね合いはあるものの、Google Voiceを搭載するNexus Oneを以てGoogleがまたもWebの主役中の主役に躍り出る予感。そしてAndroid Appを走らせるJavaが復権するのではと予想。2000-2009年の10年間同様、まだしばらくはGoogle様の強いご威光が継続されることでしょう。



